性的な行為や誰かの胸や性器、お尻を相手の許可なく触ること、いわゆる性的同意をとっていない状態での行動はどのようなものであっても性暴力とみなされます。
日本では刑法という法律で性的同意ができる年齢を13歳以上と決めています(13歳という設定は世界的に見て低すぎると言われています)。12歳以下の子どもに大人が性行為など性的なことをすると、大人の方が「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」となったり、18歳未満の子どもに大人がむやみに性的な行為をすると各自治体の青少年健全育成条例違反で罰せられます。たとえその子が性的なことに同意をしていたとしても、暴行、脅迫の有無にかかわらず犯罪となります。この法律について理解しておくことが大切でしょう。
性的虐待は、性暴力の一種です。子どもに性行為を強制する、性行為をするように強く言ったり、プレッシャーをかけたりすること(レイプ)や、大人と、性行為に同意するには若すぎる子ども(日本の場合は12歳以下の子ども)との間の全ての性的な行為が性的虐待に含まれます。性暴力は誰にでも起こりうることであり、犯罪です。性的虐待は、私たちが考えているよりもずっと身近に起こっており、虐待を行う人物が知り合いや親族関係の人であっても、決して許されることではありません。
性暴力がどのようなものであっても、被害者は決して悪くないということを覚えておいてください。時には性暴力やセクシュアルハラスメントをしたり、体を勝手に触った人物が、「悪いのは若い人たちの方だ」というかもしれません。被害者がどんな服装をしていたとしても、お酒を飲んでいたとしても、ドラッグを使っていたとしても、それは被害者が性暴力を受けた理由にはなりませんし、どのような状況であったとしても性暴力は許させるものではなく、被害者は悪くありません。時には触られることに快感を覚えていた自分の責任だと感じる人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。
性的虐待は、その人の性的指向とは関係ありません。異性愛者であれば、同性から虐待を受けたとしても、その人自身が異性愛者であることに変わりはありません。また、ゲイやレズビアンの人が異性の人から性的虐待を受けても、同性愛者から異性愛者になるわけではありません。性的虐待を受けた場合、虐待をした人のどのような性別なのかに関係なく、信頼できる人に起こったことを話すことが重要です。
もしあなたやあなたの知り合いが誰かに嫌な触られ方をされたり、強引に触られた時には、そのことを誰かに話してください。たとえ性加害をしてきた相手が大人や年上で、誰にも話してはいけないと言ってきたとしても、誰かに被害を受けた事を話すべきです。保護者や家族の誰か、先生、友達の保護者や近所の人など、あなたがこの人であれば信頼できると思う大人に話をしましょう。もし最初に話をした相手が何も行動を起こしてくれなければ、別の信頼できる人に話をしましょう。何か助けを得るまで信頼できる大人に話し続けましょう。